第6回N-Pネットワーク研究会

2016年4月22日(金)@ 横浜ベイシェラトン&タワーズ

『抗NMDA受容体脳炎と精神症状』

東海大学医学部内科学系神経内科学 向井雅子 先生

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抗NMDA受容体脳炎は、NMDA受容体(NMDAR)のNR1/NR2ヘテロマーに対する抗NMDAR抗体を介して生じる自己免疫性脳炎で、傍腫瘍症候群の側面を持ちます。典型症例では、若年女性で卵巣腫瘍を伴い、精神病期、無反応期、不随意運動期、緩徐回復期を経ることが知られ、臨床診断は難しくありません。

しかし症例が蓄積されるにつれて、抗NMDAR脳炎発症時に腫瘍が明らかでなく、中枢性低換気や不随意運動が目立たない不全型の存在が知られるようになってきました。その場合は抗NMDAR抗体が検出されるまで診断に難渋し、精神疾患との鑑別や精神症状への対応に迷う場合があります。

今回、抗NMDAR脳炎の再発で受診した自験例を提示します。本症例は、腫瘍を伴わず、精神症状が前景に立ち、対応に苦慮しました。今回の検討テーマとして、本症例を通じ抗NMDAR脳炎と精神疾患との鑑別点、精神症状への対応と治療について、ご意見をいただければと存じます。

『前頭側頭型認知症の症候と病態』

筑波大学臨床医学系精神医学 新井哲明 先生

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前頭側頭型認知症 (frontotemporal dementia: FTD) は、脳の前方部に変性の主座を有する疾患群の総称である。臨床的に行動異常型FTD、意味性認知症、進行性非流暢性失語、病理学的に前頭側頭葉変性症 (frontotemporal lobar degeneration: FTLD)-tau、FTLD-TDP、FTLD-FUSと、各々3つのサブタイプに分けられる。

講演では、FTDの臨床像と病理像の特徴および両者の相関と、蓄積蛋白の病理生化学的解析から見えてくる病態機序および治療法の展望についてお話しさせていただく。

【世話人会(敬称略、五十音順)】

代表世話人
・内門 大丈
・馬場 康彦
世話人
・井上 祥
・水間 敦士

【顧問(敬称略、五十音順)】

・小阪 憲司(横浜市立大学 名誉教授)
・繁田 雅弘(首都大学東京 健康福祉学部 作業療法学科 教授)
・瀧澤 俊也(東海大学医学部 内科学系神経内科学 主任教授)
・平安 良雄(横浜市立大学 精神医学 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(東京都健康長寿医療センター 神経内科 部長)

【N-Pネットワーク研究会2016 spring共催会社】

・第一三共株式会社