第45回N-Pネットワーク研究会
2025年12月12日(金)19:00~20:00
オンライン形式 Zoomウェビナー配信
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横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 講師
パーキンソン病に対する外科治療(定位脳手術)には、脳深部刺激術DBS、高周波熱凝固術RF、MRガイド下集束超音波療法FUSがある。いずれも大脳基底核の異常を手術により正常に近づけることが目的である。定位脳手術のターゲットとなる部位は、Wearing offとジスキネジアは視床下核(STN)、淡蒼球内節(GPi)がある。一方薬剤抵抗性振戦に対しては視床腹側中間核(Vim)がある。パーキンソン病ではSTN、GPiの活動性が過剰となり、それが無動のメカニズムといわれている。一方、Vimの活動性も過剰となっており、振戦のメカニズムといわれる。したがって定位脳手術においては、これら過剰となったSTN、GPi、Vimの活動性を高頻度電気刺激で抑制するのがDBSであり、凝固して破壊することで活動性を抑制する(GPi、Vim)のがRFとFUSである。
定位脳手術のうち、DBSとRFは皮切を置き頭蓋骨を穿頭後、脳に電極を挿入する観血的手術である。一方FUSは、いわゆる観血的手術ではない。患者の頭部に装着したヘルメット状の照射装置から超音波を照射する。皮膚を切ることも穿頭することもない。
DBSとRFでは微小電極記録をとりながら電気生理学的にターゲットとなる構造物STN、GPi、Vimを電気生理学的に同定し、テスト刺激で効果と副作用をチェックしてターゲット位置を決定する。最後にRFではそのターゲット位置に凝固用プローベを挿入し熱凝固を行う(GPi、Vim)。DBSではターゲット位置に治療用電極を留置する(STN、GPi、Vim)。RFではプローベは抜去するが、DBSでは電極を留置し前胸部に埋め込んだ刺激発生装置に接続する。術後にこの刺激発生装置を調整して、症状に合わせて刺激の強さや刺激の位置、方向性を変期することが可能となる。一方FUSは主として振戦に対しVimの熱凝固が行われる。脳内の温度をリアルタイムでモニターしながら超音波をターゲットに集束させて熱凝固を行う。治療はMRI室で行い、治療中に効果(振戦の消失)を確認することができる。
DBS、RF、FUSはそれぞれ長所と短所がある。それぞれの特性を理解し治療を使い分けることが重要である。横浜市大では、横浜市大附属市民総合医療センターのDBSユニットと横須賀市立総合医療センターのふるえセンターが強固に連携し、各患者にとって適切な治療を提案している。
【略歴】
1989(H1)年 横浜市立大学医学部卒業
1991(H3)年 横浜市立大学脳神経外科入局
以後横浜市立大学関連病院をローテート
2002(H14)年 東京都立神経病院でパーキンソン病、本態性振戦などに対する脳深部刺激療法(DBS)を学ぶ
2006(H18)年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 助教
2009(H21)年 横浜市立大学附属市民総合医療センターでDBS手術を開始
2020(R2)年~現在 横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 講師
*2025(R7)年 横須賀市立総合医療センター 脳神経外科 非常勤としてFUS参加
日本定位機能神経外科学会技術認定医、現在まで300件のDBS手術を施行
東海大学医学部 内科学系脳神経内科学 准教授
進行期パーキンソン病患者において運動合併症に対する薬剤調整が一つの治療目標となるが、薬剤の副作用や服薬アドヒアランスに配慮した処方も重要である。近年処方可能となった新規MAOB阻害薬であるサフィナミドや長時間作用型COMT阻害薬であるオピカポンを併用することによる運動合併症や非運動症状への治療効果に関する報告が散見され、進行期における薬剤調整の選択肢が広がった。
薬剤調整を行なっていく過程でデバイス治療(DAT)施行のタイミングを検討することも重要である。現在は”5-2-1”の指標が一つの導入基準として用いられるようになった。現在DATとして脳深部刺激療法とレボドパ/カルビドパ持続経腸療法(LCIG)、ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物配合剤(LDp/CDp)、およびレスキューとして用いるアポモルヒネ塩酸塩水和物が使用できる。近年はLCIGやLDp/CDp導入により幅広い年齢層にDAT導入が可能となったと言えるが、その一方で導入に際した課題や導入後の合併症の問題がたびたびみられる。各デバイスのメリット・デメリットを考慮した選択と在宅でのサポート体制、またデバイストラブル時の迅速な対応ができる体制づくりが重要である。
【略歴】
2006年 昭和大学医学部卒業
2006年 横浜旭中央総合病院 臨床研修医
2008年 東海大学医学部内科学系神経内科 臨床助手
2011年 東海大学医学部内科学系神経内科 助教
2016年 University of California, San Francisco Research Fellow
2018年 東海大学医学部外科学系救命救急医学出向
2019年 東海大学医学部内科学系神経内科 講師
2022年 東海大学医学部内科学系脳神経内科 准教授
共同代表世話人
・内門 大丈(メモリーケアクリニック湘南)
・馬場 康彦(福岡大学医学部 脳神経内科学 主任教授)
副代表世話人
・井上 祥 (横浜市立大学 共創イノベーションセンター 特任准教授)
・水間 敦士(東海大学医学部内科学系神経内科学 准教授)
世話人
・笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室 教授)
・野本 宗孝(横浜市立大学医学部 精神医学教室 講師)
・日暮 雅一(ほどがや脳神経外科クリニック 院長)
世話人兼・会計監査
・秦 光一郎(株式会社メドベース)
・竹中 一真(株式会社メドベース)
顧問
・浅見 剛(横浜市立大学医学部 精神医学教室 教授)
・小田原 俊成 先生(横浜市立大学精神医学教室 保健管理センター長)
・繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学 名誉教授)
・高橋 雅道(東海大学医学部 脳神経外科 領域主任教授)
・瀧澤 俊也(神奈川リハビリテーション病院 脳神経センター長)
・菱本 明豊(神戸大学大学院医学研究科 精神医学分野 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(大阪大学非常勤特任教授)
名誉顧問
・小阪 憲司 (横浜市立大学 名誉教授)
【第45回N-Pネットワーク共催会社】
・小野薬品工業株式会社