第34回N-Pネットワーク研究会
2023年 3月7日(火) 19:00~20:20 形式:TKPガーデンシティPREMIUM横浜ランドマークタワールームDより配信
2023年 3月7日(火) 19:00~20:20 形式:TKPガーデンシティPREMIUM横浜ランドマークタワールームDより配信
東京慈恵会医科大学附属第三病院 脳神経内科 診療部⻑
近年の研究により、パーキンソン病(PD)にはいわゆる寡動、振戦、筋強剛などの運動症状以外に非運動症状が出現することが報告されてからすでに数十年が経過している。非運動症状は、運動症状よりかなり前から生じ、概ね気づかれることなく進行し、運動症状が出現した時点で、我々臨床医がPDと診断することになる。運動症状出現時にはすでに、中脳黒質の神経細胞数は30%程度にまで減少していることは、英国ブレインバンクからの報告で示されている。運動症状出現前の時点で、いかにPD患者を抽出する方法を確立できるかが、今後の創薬投与時期も含めて、研究者の喫緊の課題となっている。PDの病理学的進展については、Braak博士の脳幹からの上行進展と、嗅球と腸管神経系からのDual Hit Theoryが知られている。PD病理のhallmarkであるLewy小体で括り、「Lewy小体病」として捉えると、上記進展形式だけではなく、multifocalな進展形式が存在しているのではないかと考えられる。本講演では、極早期PD患者の抽出を担う病理学的なバイオマーカーの検討ならびにPDの進展について病理学的背景をもとに、概説する。
東京都立荏原病院 神経内科 部⻑
多発性硬化症(Multiple Sclerosis: MS)は生産年齢人口に多く発症し再発予防を行わないと進行する、日本でも患者数が増えている神経免疫疾患である。早期診断・早期再発予防治療導入とその後の治療シーケンスが長期予後には重要であるが、確立した診断・治療のバイオマーカーがない事、発病初期は急性期治療を行うと見かけ上もとに戻ったように見えてしまうこと等から、診断・治療になかなかつながらない患者も多い。一方、再発予防治療薬に目をむけると、2000年のIFNβ1bの発売以降、病態の解明とともに近年作用機序の異なる薬が相次いで承認され、本邦でも7種8剤が使えるようになった。このことで治療の幅は格段に広がり、治療戦略も今までの画一的なものから、疾患活動性や社会的背景を考慮した個別化医療へ大きくシフトした。本講演では、今世紀特にここ数年間で大きく変わった多発性硬化症治療について包括的にお話したいと思う。
共同代表世話人
・内門 大丈(メモリーケアクリニック湘南)
・馬場 康彦(昭和大学藤が丘病院 脳神経内科)
副代表世話人
・井上 祥 (株式会社メディカルノート)
・水間 敦士(東海大学医学部内科学系神経内科学)
世話人
・笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学)
・川口 千佳子(せやクリニック)
・野本 宗孝(横浜市立大学附属市民総合医療センター 精神医療センター)
・日暮 雅一(ほどがや脳神経外科クリニック 院長)
世話人兼・会計監査
・加藤 博明(株式会社メドベース)
・竹中 一真(株式会社メドベース)
顧問
・小阪 憲司(横浜市立大学 名誉教授)
・繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学 精神医学講座 主任教授)
・瀧澤 俊也(神奈川リハビリテーション病院 脳神経センター長)
・菱本 明豊(横浜市立大学大学院医学研究科 精神医学部門 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(大阪大学非常勤特任教授)
【第34回N-Pネットワーク共催会社】
・ノバルティスファーマ 株式会社