第32回N-Pネットワーク研究会
2022年 9月6日(火)19:00~20:20 形式:WEB開催
2022年 9月6日(火)19:00~20:20 形式:WEB開催
聖マリアンナ医科大学 神経精神科学 教授
「意識」の生起やその機構に関して、ニューロサイエンスの観点から精力的な研究が行われている。だがその前提として、意識をどのようにどこまで定義し、考察の埒内に含めるか、それがそもそも難しい。臨床精神病理学的に、意識を「現前性」「再帰性」「志向性」という3つの側面に分けて整理を試みる立場がある。つぎにレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies, DLB)は、その概念成立過程の特性から、おのずと古典的な脳の層構造・機能解剖学的観点で病態理解がなされ、知見が蓄積してきた。しかし、たとえば4主徴のひとつである「認知の変動」の動的側面については、死後脳解析やそれに準じたmolecular ligand imagingのみで解明することは困難で、神経病理学以外の「導きの糸」が必要であるように思われる。そこで演者は病態理解への素描としてDLBを「意識の病」という臨床精神病理学的観点で捉えることを今回提示し、「DLBに特徴的な臨床症候群はやはりADと大きく異なる」という試論を展開したい。
慶應義塾大学医学部 神経内科 専任講師
近年、パーキンソン病(PD)に対しては数多くの治療薬が開発されているが、効果・安全 性の観点から未だに L-dopa が治療の主役であることは間違いなく、L-dopa についてよく 知ることは重要である。L-dopa/DCI 製剤には DCI の配合比が異なる 2 種類があり、適切 に使い分けることが有用なケースもある。また、L-dopa には short duration response と long duration response があることが知られている。治療の主役である L-dopa は万能ではなく、 しっかり効くためには吸収障害、末梢での分解をはじめとした多くのハードルがある。また、 高用量使用で wearing off 現象や dyskinesia といった運動合併症が起きやすいという課題が ある。これらの課題の克服を目指し、今日までの間に L-dopa 持続静脈注射、経腸投与、皮 下注射の開発といった drug delivery の工夫、MAO-B 阻害薬、COMT-阻害薬による L-dopa 薬物動態の改善がなされてきた。本講演では PD 治療の主役である L-dopa 治療についてよ く知り、最適化を目指した取り組みについて概説する。
本講演では、我々の報告も含めて、αS凝集に焦点を当てた疾患修飾へのアプローチを考える。
共同代表世話人
・内門 大丈(メモリーケアクリニック湘南)
・馬場 康彦(昭和大学藤が丘病院 脳神経内科)
副代表世話人
・井上 祥 (株式会社メディカルノート)
・水間 敦士(東海大学医学部内科学系神経内科学)
世話人
・笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学)
・川口 千佳子(せやクリニック)
・野本 宗孝(横浜市立大学附属市民総合医療センター 精神医療センター)
世話人兼・会計監査
・加藤 博明(株式会社メドベース)
・竹中 一真(株式会社メドベース)
顧問
・小阪 憲司(横浜市立大学 名誉教授)
・繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学 精神医学講座 主任教授)
・瀧澤 俊也(東海大学医学部付属大磯病院 神経内科 特任教授)
・菱本 明豊(横浜市立大学大学院医学研究科 精神医学部門 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(大阪大学非常勤特任教授)
【第32回N-Pネットワーク共催会社】
・小野薬品工業 株式会社