第29回N-Pネットワーク研究会
2021年12月7日(火) 19:00〜20:30 形式:Zoomウェビナー
2021年12月7日(火) 19:00〜20:30 形式:Zoomウェビナー
昭和大学藤が丘病院 脳神経内科 講師
心の時間には様々な種類があり、1)計時能力、2)見当識、3)時間順序、4)年齢認識、5)時間の流れ、がある。1)計時能力はさらに、時間計測、時間再現、時間推測に分類できる。時間再現には症例H.M.の検討から短期記憶が関連することが明らかになった。時間推測には前頭葉機能障害患者の検討からワーキングメモリが関連することが明らかになった。時間計測においてはパーキンソン病の検討から大脳基底核が関連し、リハビリテーションができる可能性があることが明らかになった。2)認知症を対象とした検討では、見当識障害や未来の出来事の想起には楔前部や帯状回後部が関連することが明らかになった。3)記憶の時間的順序には、コルサコフ症候群や前交通動脈瘤破裂後の患者の検討から、眼窩前頭皮質が関連する4)自己の年齢認識の障害には、抗NMDA受容体抗体脳炎の検討から、海馬と眼窩前頭皮質の障害が関連する5)時間の流れの障害には、頭頂葉内側の障害が考えられている。その症候は、経過時間判断の障害、正確な時刻推測の障害、日常生活中断による時間の感覚ズレ、時間の流れが速いように感じること、周囲の動きが速いように感じること等がある。時間の流れ障害は自閉症やレビー小体型認知症でも認められ、情動にも影響を及ぼすことが明らかになっている。
医療法人たぶの木 うむやすみゃあす・ん診療所 沖縄県認知症疾患医療センター連携型(宮古島)
20年務めた東海大学病院(脳神経外科)を退職し宮古島に移住し22年がたちました。この間、地域医療に専従することで、高度先進医療を提供する大学病院と離島宮古島との医療格差を体験し、地域医療への理想と現実のギャップにカルチャーショックをうけ、様々な医療展開を行いました。その一つが認知症の問題で、活動を始めた2007年頃の宮古島では認知症医療は島全体で認知されておらず将来が危ぶまれておりました。このため、専門医ではありませんでしたが認知症外来、地域啓蒙活動などを進め、2016年に離島では国内初めての認知症疾患医療センター連携型を沖縄県から拝命したしました。
離島は世界の縮図の様なもので、多種多様な人達で社会が構成されており、そこで求められる医療は医療規模こそ違え本質的には都会となんら相違はありません。しかし離島が故に医療資源の問題で格差の是正には限界があり、このギャップをいかに克服し、安心安全な(宮古方言でうむやすと言います)島作りをめざす離島認知症支援ネットワークの様な運命共同体が全国的に必要であると考えています。この講演では、離島で出会った認知症の方々からのメッセージ、生きて活きて逝ききる(どなたもがご自身の人生を楽しみ活躍しそして悔いなくその日を迎える)ための提言を、うむやす風に味付けをしてお届けしたいと思います。
共同代表世話人
・内門 大丈(湘南いなほクリニック)
・馬場 康彦(昭和大学藤が丘病院 脳神経内科)
副代表世話人
・井上 祥 (株式会社メディカルノート)
・水間 敦士(東海大学医学部内科学系神経内科学)
世話人
・笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学)
・川口 千佳子(せやクリニック)
・杉谷 雅人(総合相模更生病院 脳神経外科)
・野本 宗孝(横浜市立大学附属市民総合医療センター 精神医療センター)
世話人兼・会計監査
・加藤 博明(株式会社メドベース)
・竹中 一真(株式会社メドベース)
顧問
・小阪 憲司(横浜市立大学 名誉教授)
・繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学 精神医学講座 主任教授)
・瀧澤 俊也(東海大学医学部付属大磯病院 神経内科 特任教授)
・菱本 明豊(横浜市立大学大学院医学研究科 精神医学部門 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(大阪大学非常勤特任教授)
【第29回N-Pネットワーク共催会社】
・エーザイ株式会社