第11回N-Pネットワーク研究会
2017年6月9日(金) @ ホテルプラム
2017年6月9日(金) @ ホテルプラム
糖尿病は認知機能低下あるいは認知症発症の危険因子となる。糖尿病患者の脳では、健常者と比較して、側頭葉内側や前帯状領域などの萎縮が見られる。障害部位と低下する機能には関連があると考えられるが、局所的な萎縮が生じる機序は不明である。糖尿病における認知機能低下の機序として、血管障害、重症低血糖、血糖変動、炎症、インスリン抵抗性などの関与が想定されている。ランダム化比較試験や大規模介入試験の結果からは、血糖の厳格なコントロールが認知機能改善や認知症発症予防に有効か否かまだ明らかになっていないが、特に高齢者においては低血糖のリスクを考慮する必要がある。現時点では、特定の糖尿病治療薬が認知機能の改善や低下に直接影響を与えるとのエビデンスは確立していない。認知機能が低下してきた患者に対しては、個人の状況に応じてより安全かつアドヒアランスの良好な治療法を探っていく必要がある。
代表世話人
・内門 大丈
・馬場 康彦
副代表世話人
・井上 祥
・水間 敦士
・小阪 憲司(横浜市立大学 名誉教授)
・繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学 精神医学講座 主任教授)
・瀧澤 俊也(東海大学医学部 内科学系神経内科学 主任教授)
・平安 良雄(横浜市立大学大学院医学研究科精神医学部門 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(東京都健康長寿医療センター 神経内科 部長)
・第一三共株式会社